2010年10月10日日曜日

2010観劇記 劇団自由飛行館『楽屋―流れ去るものはやがてなつかしき―』

函館舞台塾2010演劇フェスティバル参加作品。

2010年10月10日(日)14:00 函館市芸術ホールギャラリーにて観劇。

チェーホフの戯曲『かもめ』が上演されている劇場の楽屋。
死して亡霊になってもなおこの楽屋から離れられない二人の女優がいつやって来るとも知れない出番のためにメイクに余念がない。
そこへ枕を抱えた若い女優が現れて、ニーナ役のベテラン女優に「私の役を返してほしい」と訴える。

「女優の業」みたいなものが描かれている作品。
こうして考えてみると、私は「女優」ではないなとつくづく思う。
演劇が好きで、何らかの形でお芝居を作ることに関りたくて年に一度舞台に立っているけれど、本質は「演じたい」人間ではない気がする。
だからこのお芝居に登場する、「演じること」をおそらくは唯一の自己表現とする彼女たちへの感情移入は薄い。しかしだからこそ、彼女たちへの憧れは尽きず、彼女たちを観るために劇場へ通い続けるのだろう。

これまでの、そしてこれからの、演劇と私のかかわりについても考えたひとときだった。

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